もうずいぶん定着化した感のある消費税。しかし、なぜ今になって急に内税の義務化を推し進め、そして発令するという暴挙に出たのか。 そしてなぜ最初からしなかったのか。それを書いてみようと思う。
まず、なぜ当初から内税化を義務づけなかったか。この当時は隠すのは良くないという体質、見た目の金額上昇による消費の低下への懸念、 そして「消費税を払っている」という意識の向上のためであったと思われる。 これについてはあえて言及しないことにしよう。しかし、ならばなぜその初心を貫き通そうとしないのか。まずここに第一の疑問が生まれる。
次に、3%から5%に消費税が変更され、その時は話題にも上らずそして今になって急に内税義務化である。もうこれは昨今のニュースによって明らかであろう。 今後7%や10%など、外国にならって税率を上げていこうという考えはすでにあった。そしてそこに立ちはだかる消費者の怒り。ならば「鳴くのなら 隠してしまえ ホトトギス」 の精神で隠してしまえ。そうすれば気づくのが遅くなるだろう。という考えなのである。見えなければ上げやすい。こんな考えなのであることは確実である。昨今の隠蔽体質がここにも来た、という感じである。
また逆に、内税義務化が多少なりとも効果を及ぼす場面を考えてみる。 すでに行っている所もあるが、レストランや弁当屋がその代表である。こういったところは非常に小銭が煩わしく思える(特に弁当配達)ため、店側が配慮として行っている。自動販売機はそもそも1円単位の受付を行っている機械を見かけないので、またわかりやすくするため最初から内税表示である。しかし、これを政治、法令として行われると、そして今後の税の上昇方針を知っていると、いや、知らなくても、これは「配慮」とは思えず、「隠蔽」を最大目的として行っているようにしか見えない。
そして、もう一つの弊害。それは、消費者側ではなく、販売店側にある。今回の義務化において、税込み価格を税抜き価格より大きいサイズの字で表記するか、もしくは同等であることを指示されている。これによって、お店側ではほとんどの値札が張り替えられている。しかし、このためにどれだけの労働力が使われたかは想像に難くないだろう。非常に莫大な経費がここにつぎ込まれてしまうことになるのである。今回の騒動は店が一番被害を被ったと考えても間違いはない。そして、それに伴って便乗値上げをする店も増えてしまった。多少は仕方ないと思える。逆に便乗値下げをする店もあるので、そちらはすごいと思うが…。
どちらにしても、消費者は今回のない税化によって見た目の価格が上昇し回避換えが多少なりとも発生し、そして販売店では今回のない税義務化によって一時的な大損失が発生、そして政治家連中は相変わらず私腹を肥やすことに心血を注いでいるのである。
昔議論されていた種別税はどうなったのか。食料品等を非課税または低課税にして、その他を多少上昇させるという案である。ただし、業種差別ととらえられる面もあるので、実際の所かなり注意して適用していかないといけないが。
まずは「外国にならえ」体質は本当に捨てなければならない。まず無駄をなくし、それから課税率上昇は考えるべきだと思う。まだまだ兆単位で節約できるところはあるはずだから…(特に政治家連中の金)