マッハ激シリーズを斬るっ!


1.ソフトの概要
製品名 マッハ激速2000 マッハ激追2000 マッハ激写2000
メーカー SSI Tristar SSI Tristar SSI Tristar
製品イメージ
(HPより借用)
マッハ激速2000 マッハ激追2000 マッハ激写2000
価格(税抜) 11,800円 11,800円 10,800円
うたい文句 HD最速化 CD-ROM最速化 CD-ROM圧縮・格納

2.各ソフトの長所

 このソフトの長所を言うこと自体が難しい問題なほど欠点が多い。あえて言えば、3つのソフトが連携して高速化する、ということぐらい。


2.各ソフトの短所

 まずは激速2000から。

 このソフトは、仮想的にシステムにHDを作る(RAMドライブを普通のHDとして認識させる)ことによって高速化しているソフトである。 しかし、Windows98(たぶん95でも)では、まず初回起動時にエラーを起こし、HDの認識を始める。 こればかりは新しいハードウエアを装着したときと同じ現象なので、これはまあ許せる範囲内。
 問題はその次。 このソフトは、そのソフト用の加速化ファイル(テキストファイル)が必要となる。 最初にインストールされる加速化ファイルが異常に少ない(元々CDに入っているファイルが少ない)ため、わざわざ作らないといけない。 これは非常に面倒な作業である。しかも、ホームページにそういうファイルを置いていないので、初心者等に非常に扱いにくい。 せめて、置いておくべきである。もっと言えば、自動ダウンロード機能とかを備えるべきである。
 これ以降もまだ問題ある。 初期設定の加速化ファイルでは異常にメモリ使用量が多い。 たとえば、PHOTOSHOP5.0では、60MB付近のメモリを必要とする。 他のソフトも、かなりの量のメモリを必要となる。 たとえば、全く使われないファイルがその中にあっても。 私のようにたくさんメモリを積んでいれば問題ないが、64MBぐらいのメモリでどうしろというのかが理解できない。 昔存在したMagnaRAM97(QuarterDeck社)の方がよい。(もっともWin98ではバグがあって使えないが)
 まだまだある。実際にPhotoshop5.0を登録してみたのだが、再起動しても、速くなるどころか、むしろ3秒以上も遅くなった。 2、3回再起動して試したが、全く変化がない。 なぜか初期設定ではプラグイン部分が高速化されているのである。 これでは、肝心の起動が速くならない。 HPにはこれで速くなるとは書いてあったけど、まったくと言っていいほど意味がなかった。 まあ、フィルタ等をたくさんかける人には最高だけど。
 試しに、私が自ら他のソフト用に作ってみたのだが、どれも遅くなるばかりで、全く効果がなかった。 ReGetも、700KB近くのリストファイルがあったのに、まったく速くならなかった。(まあこれは例外だが)
 そして最大の問題点がある。このソフトは、事実上通常終了(いきなし電源を落としたり、リセットボタンを押さないで、通常言われている終了方法で終了すること)が原則として設計されている。 この場合、たとえば、高速化したフォルダに、設定ファイルがあって、それが更新された状態で、強制終了されてしまう(フリーズ等で)と、なんと情報が完全に失われてしまうのである。 これは非常に大きな問題である。私のマシンなんかしょっちゅうフリーズするので非常に危険。
 さらに、終了時も書き戻しの時間で大きく待ち時間を食う。起動時も同様である。
以上の結果より、言えることは、

1.メモリをたくさん積んでいて、(最低128MB、推奨は512MB以上)
2.ほぼ100%強制終了(フリーズ)しないマシンで、
3.起動終了時に操作ミスをしない絶対の自信を持てる人で、
4.起動終了時の30秒以上の待ち時間を無視できるぐらい暇な(気の長い)人であり、
5.各ソフトがどういうファイルが使うのかがだいたい分かるぐらいの人である。
この条件を満たせる人(マシン)ならば、1%程度の高速化が見込めるだろう。
つまり、金額に見合った効果がまったく得られない。1000円程度ならいいけどね。(シャレで買って行くから)
MagnaRAM97の方がこの7倍以上、MagnaRAM98でも2.5倍以上は高速化できる。こっちの方がよっぽどいい。こっちの方が価格に見合った効果が期待できるし、危険性もある程度少ない。

 次に激追2000について。

 このソフトは、CDの読み込みを、HDにキャッシュする事によって高速化するソフトである。
 しかし、どんなCDを入れても、またどんなファイルを起動しても、まったくキャッシュしない。 これではインストールする意味すらない。 私は、合計で100MB以上のファイルを一つのCDから読み出してやったのに、それでもキャッシュしない。いったい何のためにインストールしたのか理解できない。
これでは金の無駄使いである。11,800円もこのソフトに支払う必要はない。50円で十分である。箱、説明書代としてね。
動かないし、インストールしてもまったく機能を果たさない、HDとお金の無駄使いをするソフトなんて、慈悲をかける必要はない。新しくソフトを完全に作り直すべきである。

 最後に激写2000について。

 このソフトに関しては購入していないので不明だが、仮想CD制作ソフトとしては最後発のソフトである。最後発なら最後発なりに、価格のアピールをして欲しいところである。
 第一、VirtualCD(アーク情報システム社製)の方が世に出回っているため、これを超える性能を積んで欲しいところなのに、HPで見た限りではそうは思えない。
 激追2000とのコンビネーションで200倍速くなると書いてあるが、完璧に誇大広告。単体で速くなると私は思う。まったく激追2000が機能しないのだから。
やはりVirtualCDの方がましである。というか、4.0になって、さらに機能強化されて使いやすくなった。こっちの方がおすすめ。


4.総論

 単純に言えば、金額と釣り合ってないソフトである。 合計で33,000円程度かかるが、実際は200円程度の価値しかない。 こんなので高速化をうたうのも甚だしい。


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