コピー防止機能付音楽CDを斬るっ!

注)ここでいうコピー防止機能付き音楽CDとは、悪名高い
正式名称 呼び方、略称 採用会社名
CCCD  コピーコントロールCD
コピーコントロール銀色円盤
AVEX(エイベックス、筆頭糞会社)、東芝EMI、ポニーキャニオン、ビクター(K2による改善型)、海外各社など
レーベルゲートCD LGCD、銀色円盤 SME(ソニーミュージックエンターテイメント)
のことを指します。(2003年6月16日現在)


 昨今のコピーやインターネットでの音楽の横流し、無断配信に対抗して考え出されたコピー防止機能付音楽CD(以下、新音楽CDと略す)。ゲームソフトなどのPC用ソフト業界では2,3年前からコピー防止機能が流行してきたが、この新音楽CDも今年2002年から日本でも導入するようだ。

 確かに無断複製、無断配布は違法である。私的利用は違法ではない、というのを勝手に拡大解釈してインターネットでの無断配信を行っている人もいるだろう。すでに一般化しているとの考えもあるかもしれない。

 しかし、このコピー防止機能、ゲームソフトやビジネスソフトなどにおいては、利用形態が普通パソコンのみのため、ほかの機械において動かす(読み込ませる)ことはない。だが逆に、音楽CDの場合は、そのデータの中心である音楽はCDプレーヤ(コンポ、ウォークマンなど)だけでなく、MD用にその音楽データを変換して登録して再生したり、最近ではMP3などのパソコンにて利用できる形態にしてパソコン上にて再生したり、MP3プレーヤに登録して再生している人もいるだろう。私もMP3プレーヤであるRio500を持っているし、普段はそれによって音楽を聞いている。

 ここで新音楽CDの場合、2,3の問題点が発生する。まず一つ目は、「昔のCDプレーヤでは再生できない恐れがある」ということである。昔、80分の音楽CDが登場したときにも言われていたことなので、ここでは特に言及しないことにしよう。

 二つ目の点は、「どうしても音質が必ず変化してしまう(ノイズが乗ってしまう)」ということである。これはもっとも重大なことである。このコピー防止技術の開発元は「人間の耳には聞こえないレベル」と語っていたが、これは明らかに限定的なレベルでの話。世界中を駆けずり回れば必ず1人はこのノイズを判断できる人が現れる。もしかしたら1人ではなくもっと多く現れるかもしれない。もともとCDのコンセプトは「高音質の音楽を手軽に提供できるように」考えられたものではないのか。もうそのコンセプトは完全に捨て去っているとしか言えない。「コピー防止ができるのなら音質を悪くしてでもする」というコンセプトに変わってしまっている。

 三つ目の点は二つ目の点と関連しているが、「パソコン上にデータとして音楽を配置できない、または聞けない状態で配置される」ということである。これは利用形態によっては重大な問題になりうるのである。とくに私のように「MP3プレーヤに転送してそれで音楽を聞く」方法をとっている人たちにとっては重大な問題である。今までの投資が全部無駄になってしまうのである。また、実質パソコン上に転送できないので、「音楽を聞きながら作業をする」ということも制限がついてしまう。コピー防止技術開発元は「完全コピーには何ら問題が発生しない」と言っているが、完全コピーではなく複数のCDから曲を選択してCDを作る、いわゆる「MyCD」作りに関してまったくコメントをしていない。MyCD作りの場合、どうしてもパソコン上に音楽データを配置する必要がある。それが行えない以上、MyCDを作って音楽を楽しむ人たちにとって損害が発生する。簡単に言えば、そうやって楽しむ人たちのことをまったく考えていないのである。

 でも、それよりももっと簡単で最も重要な問題がある。それは、「コピー防止機能つき音楽CDであることをまったく明記しないで販売する予定である」ということである。ゲームソフトやビジネスソフトのコピー防止機能では、「100%問題になるようなこと」はあまりないであろう。しかし、音楽CDのコピー防止機能は、「100%問題になるようなこと」が明らかに存在する。明記しない場合はメーカーにクレームをつけることも無論可能である。「ノイズが入っていて聞けたもんじゃない!正常なものと交換しろ!」は通用するのである。

 結論としては、私は「コピー防止機能つき音楽CD」は断固反対である。どうしても販売するのならば、コピー防止機能のない音楽CDも用意しておき、そちらは販売時に登録制にして販売を行えばよい。そうすれば、違法行為を行った人物の特定がより簡単になるであろう。


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JASRACからのものは・・・(謎)